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2025.03.27 22:30   
 人間らしい臨終を 
 通称『リビングウィル』という遺書をご存知でしょうか?

 通常は『遺書』といえばそれを書いた人が死亡してから発効し、時には法的拘束力を有して生存している人に最期の意思を表明する文書ですが、このリビングウィルというのは『書いた人は生存しているが重い傷病によって自身の意思を表明することができず、その表明は死ぬまでできないであろう状態になったとき』に発効する文書、といえば、おおよその正解です。
 つまり、自分が臨終を迎える際にどういう最期を迎えたいかを事前に表明し、その意思の尊重を依頼する文書。

 ぼくは延命措置なんてクソ食らえという思考の人なので、それを明文化して携行しているのですが、前回に作成したリビングウィルが令和元年のものでかなり古く、その状態だとぼくが瀕死の状態で関わった医者が「書いた日があまりにも昔なのでこれが現時点での本人の意思とは言えない」などと反論して延命フルコースのスパゲティ症候群にされて数年から下手すれば数十年そのままベッドに転がされるなんて悪夢がありえるなあと思いまして、これを書き直しました。

 この記事を読んでいる方の中でぼくに近しい思考を持っていて、でもそういう文書の作り方がいまいちよくわからない、という方がいらっしゃる可能性はゼロではないので、サンプルをご用意しました。


 これをPDFにしたものとWORDにしたものをこちらに用意しておきます。

 ……安楽死制度が合法になったらくっころとか、回復の見込みが1週間を超えて先の話ならくっころとか、ちょっと重めの後遺障害が見込まれるならくっころとか、割と思想重めなので、あんまり参考にならないかもしれませんが。

 そしてなにより、遺書の無視は刑事で裁かれて有罪になり得るんですが、リビングウィルの無視は現時点での法令では有罪にならない可能性が高いことですかね……。リビングウィルというものが法で規定されていないので、法で守られた文書ではないから、有効性が法的に保証されていない……。
 また、救急病院に搬送された時点では、緊急時は悠長に所持品を調べてリビングウィルがあることを確認した上でそれを読んでいるようなヒマなんか医療従事者にないので、交通事故や急な昏倒などでは『意識を取り戻してみたらチューブに繋がれていてそのまま死ぬまで数十年』という最悪のシナリオが既に始まっていた、などということも想定はされるのですけど。そして現行法上では、一度延命が始まってしまうとそれを終えられるのは死んだ後か回復してからか、天災地変・戦争暴動でライフラインが寸断されるなど不可抗力の事故発生のときの3パターンしかありえないので。(それ以外のタイミングで終えると殺人か過失致死・傷害致死です)

 それでも、意思を明確に書いておけば、周囲の人々(主に親族)から「あいつはこう思っているはずだ」という自分のものではない意思によってねじ曲げられた自分の意思を通されてしまうので、幾分かはそういう不幸な事故は避けられるはず……。
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