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2025.06.29 11:00   
 無駄な生きざま 
 今朝。
 とうとう同室の高齢患者にブチ切れるなどしてしまいまして。
 とにかくこの患者、ナースコールを押す回数が半端ではなく、下手すると2分か3分おきにコールを押して看護師を呼びつける。
「ほかの患者さんのお手洗いの介助をしているから少し待ってて」「他の患者さんの傷の包帯交換があるから少し待ってて」
 そう言われてもコールボタンを連打する。
 ナースコールは電話に似て、いや、電話以上に、呼鈴が鳴ると鳴らされた側は今やっているすべての行為を中断して対応しなければならない。なぜ呼ばれたのかその内容を確認するまでは、どんなにつまらない用件であっても、至急を要する案件かもしれないので、無視をすることができない……そういう点では電話以上に重要。(電話はコールが鳴ってもよほど特殊な環境下でなければ出ないという選択ができるので)
 それで、呼びつけた理由が急を要する案件であれば文句は言わない。たとえば点滴が抜けて出血しているとか、ベッドから転落して痛いとか。……でもこの人の用件は、ベッドの頭を下げろとか上げろとか。しかもつい直前にその逆のオーダーをしておいて。
 製造から1世紀近いので、相応の衰えはあるものの頭にボケは来ていない。しっかりとした受け答えをしている。
 ……となれば、単に利己主義のわがままでしかない。
 病棟生活は集団生活。コミュニティ全体の幸福を担保した余剰を自己の幸福の向上に使う。それが最低限守るべきルール……という認識をぼくはしています。なので、自己の幸福を過剰に追求して、そのためにコミュニティの幸福度を下げる行為は畜生にも劣る外道のすることだと思っています。それこそ、そういう問題児はコミュニティから排除し、排除された結果その個人がどうなろうが、それは自業自得だと切り捨てられても当然と思う程度に。

 昨日はこの患者のコール連打のせいで看護師が1人対応にかかりきりになって病棟の看護業務が麻痺し、ぼくの午前中の介助浴の予定が夕方の4時までずれ込んだ。当然、入浴予定が大幅に狂ったのはぼくだけでない。しかも、夕方にずれ込む見込みという伝達すらできない程度に業務が停留したため、ぼくは筋力維持のために病棟の階段昇降などの運動すらできず常時の病室待機を余儀なくされた。
 そして看護師も、大事でもない用事で何度もコールを押されたら他の患者さんに迷惑だ、と、何度もきっぱりと説明している。つまり、自分がコールを連打することで周囲に迷惑を及ぼしていることを知らなかったという言い訳はもはや通用しない状態。

 ……ので、切れた。存分に。

 こんな洟垂れ小僧が理解してわきまえている程度の常識を、その歳になっても備えてないとは、よっぽど無駄飯を食らって無駄な人生を歩んできたんだな。

 そういう旨の論述をして詰めたら泣き出した。

 泣けば許されると思っているのか、いい大人が。お前の生存のために散った戦友はそれこそ泣いてるだろうよ。
 そう、トドメ刺しておいた。

 ……まあ、あの歳までそういう常識を弁えていなかったヤツなので、死んでも理解できないんだろうなとは思うけど。

 そして、ぼくも大概常識外れだなとは思うけど。

 まあ、こんな論戦に勝利しても胸は晴れませんね。
 気が重い……。

 こうなってまで生き長らえたくないなあ、とも思うわけであります。
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