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2025.03.23 14:05   
 「使わない」という抵抗 
 ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ぼくは長きに渡るATOKユーザーです。
 何らかの文書を作成するときでも、ごく簡単かつ枚数も少ないものであるとか、あるいは定型フォーマットがあってそれがそのファイルで提供されているとか、そういう場合を除いてマイクロソフト社のWORDは極力使いません。WORDの利点は「一太郎よりも起動速度が速い」くらいしかぼくは認識していませんので、起動速度の差であるたかが十数秒なんて、それこそ紙2枚を超える長さの文書を作成するともなれば利点としての価値も吹っ飛ぶんです。
 IMEに関しても、マイクロソフトのMS-IMEはあまりにも変換がアホで、入力を進めるたびにストレスとヘイトが溜まっていくので精神衛生上よろしくない。今ならGoogle日本語入力(2021年にサポート廃止になったもののまだ使える)などの選択肢もありますが、当時は「ただで使える(OS付属)けどドアホのMS-IME」か、「めっちゃ優秀だけど有償のATOK」くらいしか選択肢がなく、ぼくは後者を選びました。
 そのうえ、今でもそうですがWORDもワードプロセッサやDTPソフトとしては三流という認識で、表計算ソフトのEXCELのほうがまだ二流の仕事をしてくれるとすら思っています。……じゃあ一流はなにかと言えば、一太郎です。
 WORDのなにがもっとも赦せないかといえば、労役の関係上から霞ヶ関文学や永田町文学に近しいものを書く機会が多いぼくにとって、等角フォントを使っているにもかかわらず、「第1条(1は全角)」と「第10条(10は半角)」の尻が合わないこと。WORDは「第 10 条」みたいなことをデフォルトでしやがるので。

 ということで、バージョンアップ版が出るたびに毎回ではなかったものの、「JUST Suite 2007」から「一太郎2021」まで、バージョンアップ4回に3回程度の頻度でジャストシステム社に信徒として玉串を奉納し続けてきたのですが、それが2021で途絶えました。2022発表の際に、どうしても呑むことができないものを提示されたからです。

 それはなにか。……ATOKのサブスクリプション化

 買い切りであれば、いつかサポートが切れて機能向上をすることがなくても永続的に利用できることができる。しかしサブスクになると、期日を過ぎればいきなり利用できなくなる。これまで敬虔に買い続けてきたのならば、サブスクリプションと大して変わらないじゃないかという方もいますが、大きく違う。
 ぼくにとって、サブスクというのは「期間限定の利用権」を持っただけであって「永続的な所有権」を持たせてもらえていないという意味であり、これまでの「所有権」を持つための価格と同額でそれを「利用権」にダウングレードされているというのは承服できない。「権利を降格させたから値段下げるね!」ならまだ検討の余地はあった。しかし、「取るカネは変わらんが権利は剥奪する」は呑めない。

 その意思で、ぼくは2021を最後にジャストシステム社製品を更新していない。
 それからもう4年。おそらく最新版の一太郎2025とATOKは相当高機能になっているのだと思う。特にATOKは、パソコンのキーボードを叩く限りほぼすべての場面について回るので、その素晴らしい高機能を欲しくないといえばまったくのウソになる。でも、ATOKは更新しない。
 体験版であったとしても最新版を利用したが最後、その麻薬はぼくの頭と指を完全に掌握してしまうはずだ。そうなればジャストシステム社の思う壺だ。それだけは避けねばならん。
 ……というサムシング。

 ちなみに、KindleやKoboのような電子書籍に否定派なのも、「物理書籍購入(所有権授与)と同額で電子書籍を購入しても、電子書籍の利用権しか授与されない」ことが理由。確かヤフーだったかの電子書籍サービスがいきなり終了し、そこで電子書籍を買っていたユーザーがこれまでの投資をまったくの無に呑まれたという実績もあるので、それ以降余計に電子書籍をクソだと思っている。
 といっても「電子書籍の利用権を貸与する」という契約で十分と判断したもの(一時の娯楽作品など)についてはこの限りではないので、決して過激派ではないと思うけど。
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