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2025.03.22 12:25   
 意見には個人差があります 
 SNSでゲームの攻略をしている人達の投稿を見ていると、よく「大事なイベント直前にデバフがかかったのでやる気をなくした」とか「失敗率3%でヘマやらかしたから強制終了した」みたいな書き込みを見かけます。
 個人的にゲームでどう遊ぶかはまったく個人差がある話なので、それが良いとか悪いという話ではないのですが、ぼくはゲームをやっているときにその子が攻略上都合が悪いイベントを踏んでしまったとしても、それだけを理由に自分からそのプレイを中途で終了することはあまり良しとはしていません。というのも、ぼくはゲームの中のキャラクタ達を、自分より下位の存在と考えていないからです。
 ゲーム中のキャラクタ(便宜上この記事内に限り以降「彼女」という)達は、ぼくらとは違う世界だとは云え、その世界で一人の個人として尊重される存在です。そしてぼくらはゲームという世界にプレイヤーというかりそめの存在を間借りしてその世界に介入しているだけの存在。なので、彼女らとぼくとの間に優劣は存在しない。ともすればゲームの世界で完全な自由意志を持つ実態を持てないぼくらのほうが下位の存在。

 むろん、ぼくだって感情を持つ人間なので、ゲーム内で彼女らにヘマをされたら怒りはしますが、彼女らにしたって、ヘマをしたくてしたわけではないか、故意にヘマをしたとするならば、そこには必ずなにか原因があるわけです。そしてそのヘマを生み出す原因は、もしかしたらぼくにあるのかもしれない。そこまで含めて総合的に考えた上で、それでもやはり理不尽だと判断するに至らなければ、彼女たちを糾弾することはできないし、こちらの一方的な都合で彼女たちを殺すことなんか尚更難しい。ゲームの強制終了といえば言葉は柔らかくなるけれど、じっくりとその言葉を解剖すれば、プレイヤーの都合でゲームという舞台に引っ張り出して彼女らに無理を強いておきながら無責任にその彼女らの将来を一方的に閉ざした……つまり殺したということ。それが彼女らから託された悲願であるというのならば話はまた変わりますが、そうでないなら、一方的な都合で彼女らを舞台に引っ張り上げた演出家として、緞帳が下りるそのときまでは、ぼくは彼女らの演技に責任を持たなければならないんじゃないかなと思っています。
 そして決して、緞帳が下りた後で、彼女たちの耳目が届く場所でその演技を糾弾してはならないとも思っています。お疲れさまとねぎらって、過去の失策をとやかく言わずに「次もまた頑張ろう、よろしく」と声を掛けたい。なにが失策だったかなんて、舞台で演じている役者がいちばんわかっているはずだから。

 ……という、とても面倒くさいオタクがぼくです。ええ。
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